Devil Got My Woman

 "Ghost World"(2001 米)。アメリカの人気コミックを原作にした映画で、結構有名だと思います。この映画を見て初めてブルーズに興味をもちましたが、同時に、戦前の黒人デルタ・ブルーズにあらずんばブルーズに非ず、という極端に偏ったブルーズ原理主義を植えつけられましたw。

 78回転レコードマニアで、いかにもイケてないダサ男の典型的な役柄で、Steve Buscemi("
Armageddon"(1,998米)や、"Reservoir Dogs"(1992 米)、"Pulp Fiction"(1994 米)のQuentin Tarantino作品に出てた怪優)が出ていますが、ぴったりw。レコードのトレーディンパーティーを開いてたり、バーで口説こうとする相手の女性にいきなり滔々とブルーズの定義について解説をはじめてしまったり、車を運転するときは切れやすかったり、まさにコミック的ですらあります。

 日本でも、竹中直人なんかもっとこういう役をきちんとやればいいのに、思います。かれだけでなく、色物路線で出てきた片岡鶴太郎だとかは、ちょっと偉くなると性格俳優ぶるばかりか、徐々に自分を<いい男>イメージに転換させようとするのがミエミエで辟易してしまいます。はっきりいってそんな似合わない虚勢を張るより、本来のイケてないオタクの部分で勝負した方がよほど好感が持てます、僕はw。まあ、日本では送り手にしても、オタクオタクと持ち上げてるように見せて、『電車男』みたいに、結局のところ女に導いてもらって平々凡々な男にしてもらうのが幸せ、程度の狭量さがミエミエなので、仕方ないのかもしれませんが。
 
 ちなみに、この映画で印象的に用いられる'Devil Got My Woman'という曲があるのですが、日本の公式HPにはまったく紹介されていません。これはSkip Jamesというミュージシャンの1930年代の録音のようです。監督が78回転盤マニアというだけあって、結構ツボをついた選曲だと思います。

 内容にまったく触れてませんがw、まあ、アメリカのオタク少年少女のための青春映画です。アメリカ人にも繊細さがあるんだ、と思い出させてくれますwww。Neil YoungNirvana辺りが好きな方なら是非w。