芸術全般(映画ドラマ小説漫画)

ぬらりひょん

サザビーズのオークションで村上隆のフィギュアに十ウン億の値がつくなんて話を訊くにつけ、つくづく今日にでも世界同時共産革命が起きてあの連中の資産を全部紙切れにしちゃえばいいのに、と思うトーレです。 ホント、分を超えた金はただの架空の概念。資産…

<床を拭く女>のエロティシズム

ウォン・カーワイ(王家衛)監督の映画、『欲望の翼(阿飛正傳)』(1990)『恋する惑星(重慶森林)』(1994)と『天使の涙(堕落天使)』(1995)には、共通して、 <膝をつけて屈み込み四つ這いになり、部屋を掃除する、あるいはベッドの上を片付ける女の…

インモラル

実は俺ね、筒井康隆のファンだったのですよ。高校時代3年間、甲斐よしひろ、筒井康隆、スティーヴン・キング、萩尾望都、こんだけでした。もう、無茶苦茶偏ってますね、安倍公房とかちょっとは純文学ぽいのも読みましたけどね、あの人もホントはかなりイロ…

チャームド 魔女三姉妹

このドラマ、見かけはB級アイドルドラマなんですが、脚本がかなり優秀だと思います。アメリカのドラマは基本的に人気があればいつまでも続くし、契約更新ができなければ主要キャラでも容赦なく去っていきますし、視聴率が低下すれば尻切れトンボでも終了す…

欲望という名の電車

1951年劇場公開、アメリカ作品。主演ヴィヴィアン・リー マーロン・ブランド キム・ハンター ニュー・オリンズには昔は本当に「欲望(Desire)」という名前の路面電車が走っていたらしい。だから、主人公のブランチが初めから変なことを口走っているわけ…

ブックレヴュー 残酷な神が支配する

萩尾望都の「サイコ・サスペンス」。 母親の再婚を契機にアメリカからイギリスに移り住み、義父の家族と生活するようになった少年ジェルミは、夜毎義父グレッグの性的虐待に苦しめられる。やがて追い詰められたジェルミは義父殺害を計画するが・・・・・・。…

今更シークレットウィンドウ

スティーヴン・キング原作の『シークッレット・ウィンドゥ』のVHSがビデオ屋の処分品で出てたので、買ってきて視ました(持って帰ってから吹き替え版だと気づいた・・・・orz)。 原作読まずにキング原作作品を視るのは初めてかもしれません(あ、『スタ…

クロス ザ ルビコン

スティーヴン・キングの小説、『デッド・ゾーン』。植物人間状態から生還した主人公、ジョニー・スミスは、その体験からサイキックの能力が開かれ、他者と接触することでその将来を予知する能力を持つようになる。スミスは、グレッグ・スティルソンという上…

ブルーからブラックへ

スティーヴン・キングの小説は高校時代、随分読んだ気がするが、登場人物の名前は殆ど覚えていない。すぐに思い浮かぶのは『IT』のベヴェリー・マーシュくらいか(ベヴァリーカワユス)。 大体、登場人物の名前が普通すぎるのだ。ジョン・スミス(『デッド・…

うどんは長けりゃええってもんやないど~

本日は三日酔いも抜けないというのに、付き合いで映画館に『UDON』を観にいってきました。僕はユースケ・サンタマリアとやらが大大ダイッ嫌いなので(小西真奈美に演技力があるとも思えない)、最後まで抵抗しましたが、映画が始まった途端にもっと抵抗…

書評 村上春樹『アンダーグラウンド』

村上春樹『アンダーグラウンド』講談社文庫 1999(初版;講談社 1997) <西洋>という社会構造が産み出してきた差別の構図について、我々は多くのイメージを描くことができる。それは魔女裁判であり、ユダヤ人のホロコーストであり、奴隷貿易である。だが、…

ボヘミアン・オデュッセイ

お盆に列車で長距離移動しなければならなかったので、出発前に本屋に寄って小説を物色しました。 最近までずっと小説をあまり読まない期間があったので、何を読んでいいのかわかりません。以前ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』が僕には読みやす…

『パプリカ』アニメ映画化!・・・

わたくしの好きな作家のひとり、筒井康隆の代表作のひとつ(あくまで私見w)『パプリカ』がアニメ映画化されるようです。 筒井作品には数少ない映像化向きの作品ですので(あとは『七瀬ふたたび』くらい?)、いつかはこういう話が出るとは思っていましたが…

Devil Got My Woman

"Ghost World"(2001 米)。アメリカの人気コミックを原作にした映画で、結構有名だと思います。この映画を見て初めてブルーズに興味をもちましたが、同時に、戦前の黒人デルタ・ブルーズにあらずんばブルーズに非ず、という極端に偏ったブルーズ原理主…

エレファント

少年少女たちの美しさが太陽の光のように溢れるフィルム。 ハイスクールに乗り込んで無差別射殺を行うふたりの少年が「俺たち、今日死ぬんだよな、俺まだキスしたことないんだよ」といって狭いシャワールームで唇を交わすシーンがあるが、少しも嫌味なところ…

スカートの中身は?

絵空事を描く、というのは大変なことだ。 例えばひとりの高校生の女の子がいると考える。女の子が朝起きるということを文章にするとき、その娘はいったいどんな髪型をしているのか、どんな格好で寝ているのか、どんな部屋に寝ているのか、寝起きの顔を気にす…

傷ついたのは誰?

というタイトルの小説が筒井康隆の作にある。 この小説はいわゆる不条理ものだが、世の中結構、ある人に深く心が傷つけられたと感じたときでも、実際にはその相手の方が先に僕のせいで深く傷ついたと感じていたりする。 こういう気まずい状態が嫌で、僕はな…

芸術とエンターテイメント

最近の日本映画はひどい。 と思う僕がいる。 実際には日本映画というものを、もう子供ではない、と物心ついて以来、過去から現在に至るまで、自発的に観たことなどほとんどないにも関わらず、である。 <最近>の、<日本>の<映画>が、ひどい、嫌だ、と感…

変身

変身、というテーマは古代ローマの時代から絶えざる関心の的だったみたいで、オウィディウスという詩人は、ギリシア神話の翻案を書くときに、その表題をそのものずぱり、『変身物語』としました。 この主題は、現代でも、カフカの『変身』や、筒井康隆の『怪…

だれが殺した?クックロビン

浜崎あゆみの曲に「Endless Sollow」というのがありますが、そのコーラス部分の歌詞は「君にもし翼が ひとつしかなくても 僕にもし翼が ひとつしか残ってなくても」「君にもし翼が 残されてなくても 僕にまだ翼が ひとつだけ残って いるから 一緒に」という…

石を売るか裸を売るか

つげ義春の漫画『無能の人』に、「石を売る」というサブタイトルの回があります。家庭を持つ仕事の ない漫画家が河原で拾ってきた石を奇岩として売ろうとする話だったと思いますが、大抵の男性にとって これは訳もなく身につまされるのではないでしょうか。…

僕は今ここで死んでいる、僕はここで生きながらに死んでいる♪

"Angels in America"というアメリカのテレビドラマを見ました。アル・パチーノ、メリル・ストリープなど、往年の?名俳優たちが出演した話題作ですが、まあ、アル・パチーノは相変わらずの<変なおじさん>演技をひとりで楽しんでるなあ、位の印象でしたね。…

ふかきょん(死語)は謎だ!

人気があるのかないのかわからないテレヴィドラマ『富豪刑事』の最終回を見ました。 今シリーズが第2シリーズだから、人気あったのでしょうが、どうも今一ぱっとしないような・・・。この間見た『トリック』に似てるような・・・。その割に弾け切れてないよ…

まるっとまるまる解決だっ!(だっけ)

というわけで、昨日友人と一緒に『TRICK 劇場版 2』を見てきましたうにゃー(うにゃーの使 用法間違い)。 野郎二人です。『タイタニック』も『千と千尋の神隠し』もこいつと一緒に見に行きました。別に怪し い関係ではありません、念のため(笑)。 …

書評『ライオンと魔女』

(この記事はあるところに掲載してもらうために書き直したもので、内容的には以前のものとかぶってる ところがあります) 子どもの白昼夢の世界には、多くの日常が入り込んできている。 ルーシーがナルニアに行くのは洋服箪笥を通ってだが、そこには理屈から…

不寛容(イントレランス)

映画『イントレランス』を見ました。誰もが知る(だって解説の淀川さんがそういってたんだもの (笑))、サイレント映画時代の傑作ですね。 1916年、アメリカのD・W・グリフィスの監督作。162分に及ぶ当時としても破格のスケールの長尺で、 セットを見ても…

ジョンブル気質

またも<ナルニア>ネタですが・・・。 ファンタジー、と一言でいいますが、そこにもお国柄というのがあらわれます。 英国のファンタジー(というか児童文学)に共通するのは、子供にしか見えない世界、移ろいやすいま ぼろしのようなときを舞台にすることで…

ライオンと魔女と衣装箪笥

「ライオンと魔女」を見ました。『ナルニア国ものがたり』ですね。 とはいっても、現在公開中らしいディズニー版ではなく、昔BBCがテレビドラマ化したもののDVDのほう です。アスランがフルポリゴンで動いとるのなんか見たくないわー!ってことで。 『指輪物…