#その他文学

月の物語

使えるものがないか残っている昔のワードファイルを漁っていたら、こんなのが出てきました。更新日時を見ると、1998年10月31日になっています。初めてパソコンを買ったのがいつなのかはっきりとは覚えていないのですが、この年の夏頃まではレポートとかは祖…

データベース化する世界

他の人はどうなのか知らないが、大学時代の僕の文献の読み方は完全にネタ元だった。 元々、論理的な文章を読むのが苦手なこともあって、研究者の主張や分析はほとんど流してしまって、自分に必要な部分だけ拾い読みするやり方だったので、一冊全部を読み通し…

文体

雨上がりの朝、イオンの匂いのする空気。いつもより排気ガスの含有度が少なく感じられたりすると、あ、こういう文章いいじゃん、ブンガクじゃん、心の中にメモメモ、とか思ったりするわけです。まぁこれはどっかのCMか何かの文句だった気がするのでディレー…

インモラル

実は俺ね、筒井康隆のファンだったのですよ。高校時代3年間、甲斐よしひろ、筒井康隆、スティーヴン・キング、萩尾望都、こんだけでした。もう、無茶苦茶偏ってますね、安倍公房とかちょっとは純文学ぽいのも読みましたけどね、あの人もホントはかなりイロ…

夏目漱石「私の個人主義」より

青空文庫版より引用。 それからもう一つ誤解を防ぐために一言しておきたいのですが、何だか個人主義というとちょっと国家主義の反対で、それを打ち壊すように取られますが、そんな理窟(りくつ)の立たない漫然(まんぜん)としたものではないのです。いった…

ブックレヴュー 残酷な神が支配する

萩尾望都の「サイコ・サスペンス」。 母親の再婚を契機にアメリカからイギリスに移り住み、義父の家族と生活するようになった少年ジェルミは、夜毎義父グレッグの性的虐待に苦しめられる。やがて追い詰められたジェルミは義父殺害を計画するが・・・・・・。…

ご破算で願いましては・・・・(人類終末論とゾンビ)

1950年代から60年代にかけて、人類終末論ブームというべき潮流が主にSFの世界で盛り上がりを見せた。東西冷戦の緊張の高まり、大国の核開発競争がもたらした破滅への危機感から、主に核戦争による人類の終局を描くものが多かったようだ。人間が常に持ち続…

クロス ザ ルビコン

スティーヴン・キングの小説、『デッド・ゾーン』。植物人間状態から生還した主人公、ジョニー・スミスは、その体験からサイキックの能力が開かれ、他者と接触することでその将来を予知する能力を持つようになる。スミスは、グレッグ・スティルソンという上…

ブルーからブラックへ

スティーヴン・キングの小説は高校時代、随分読んだ気がするが、登場人物の名前は殆ど覚えていない。すぐに思い浮かぶのは『IT』のベヴェリー・マーシュくらいか(ベヴァリーカワユス)。 大体、登場人物の名前が普通すぎるのだ。ジョン・スミス(『デッド・…

書評 村上春樹『アンダーグラウンド』

村上春樹『アンダーグラウンド』講談社文庫 1999(初版;講談社 1997) <西洋>という社会構造が産み出してきた差別の構図について、我々は多くのイメージを描くことができる。それは魔女裁判であり、ユダヤ人のホロコーストであり、奴隷貿易である。だが、…

『パプリカ』アニメ映画化!・・・

わたくしの好きな作家のひとり、筒井康隆の代表作のひとつ(あくまで私見w)『パプリカ』がアニメ映画化されるようです。 筒井作品には数少ない映像化向きの作品ですので(あとは『七瀬ふたたび』くらい?)、いつかはこういう話が出るとは思っていましたが…

書評『ライオンと魔女』

(この記事はあるところに掲載してもらうために書き直したもので、内容的には以前のものとかぶってる ところがあります) 子どもの白昼夢の世界には、多くの日常が入り込んできている。 ルーシーがナルニアに行くのは洋服箪笥を通ってだが、そこには理屈から…

萌えについてのいちこうさつ

皆さん、萌えてますか? 萌えはとても大切なものです。萌えは記号への愛です。ほしの記号は愛です。記号がなければ、お金の単位も曖昧になって、八百屋さんは野菜を売ることができなくなり、距離も測れなくなるのでタコメーターがむくれて車も前に進めません…