文体

雨上がりの朝、イオンの匂いのする空気。いつもより排気ガスの含有度が少なく感じられたりすると、あ、こういう文章いいじゃん、ブンガクじゃん、心の中にメモメモ、とか思ったりするわけです。まぁこれはどっかのCMか何かの文句だった気がするのでディレートですが。

しかし、どうしてブンガクなことを書こうとすると妙に詩的というのか、普段使わないような表現やことばを使いたがるのか、自分でも不思議になることがあるのですが。こういう日記にだったらそんな書き方しようと思わないのにな~、こっぱずかしいし。僕、どっちかっていうとよく読んでた作家も口語的な表現が得意なひとが多いし、むしろ気取った書き方をする奴なんてへって感じもあるんですが。

しかし、こういう日記にしても実は口語的とはいえない。意識的にくだけた感じに、と書いていていても、それが話言葉とイコールではないと思うわけです。まず、日常、思う、感じる、気がする、わけ、なんて言葉はあまり使わないもんですが、こうして書いてると油断するとバンバン出てくる。これは詰り独白で他者に何かを伝えようとするには、いちいち一行ごとに反応を確認できないので、前提条件が仮定仮定のままでの論の進め方になる。それで発言の状態をある程度曖昧にしておくパーツを挿入しておく必要があるんでしょうね。

ブンガクな言葉というテーマに戻ると、勿論かっこつけたい、言葉遊び的に高度でありたい、というのもあるんですが、口語で書こうとすると違和感がある。下手な芝居に似ているというか、変に今風の言葉遣いにしようとすると却って白々しい、気恥ずかしくなる。そういう意味では本当の意味で口語的なブンガクを書けるひとは凄いと思うわけです。