僕は今ここで死んでいる、僕はここで生きながらに死んでいる♪

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 "Angels in America"というアメリカのテレビドラマを見ました。アル・パチーノメリル・ストリープなど、往年の?名俳優たちが出演した話題作ですが、まあ、アル・パチーノは相変わらずの<変なおじさん>演技をひとりで楽しんでるなあ、位の印象でしたね。かれはいつからこういう時代錯誤のちょっと?変な方向に入り込んじゃったんでしょうか(笑)。ロバート・デ=ニーロやダスティン・ホフマンといった同年代の俳優たちと比べても、飛びぬけて色物的な地位を獲得してしまった現在のかれの姿は『ゴッドファーザー』での鋭角な存在感からは想像もつきませんね(いや、『スカーフェイス』見ればつくかw)。

 で、内容的には、結構面白かったです。アメリカ的キッチュさというべきか、登場人物たちの無内容とすれすれの饒舌が楽しいです。特に、モルモン教徒の書記官の超精神不安定な妻が非常に好みでした。あの絶望的に混乱した中にも少女趣味的可愛らしさが漂うのが堪らん、と思ってしまう僕はマゾかも知れません、はい(どっちかっつうとサドか(爆))。

 ただ、まとめ方もアメリカ的、というか、恥じることなく怖じることなく、自らを嘲り笑うこともない、とにかくひつこいまでにじたばたして生き抜くことが希望だ!という提示の仕方は、ちょっとう~ん、って感じです。なんか回りに迷惑振りまきながらエネルギー撒き散らして生きてる姿をそんなに力一杯自己肯定されてもなぁ。まあ、間違ってはいないんですけど、ちょっとは反省もしろよ!ってつっこみたくもなりますね(笑)。

 どこに向かって投げ出されるのかわからないガッツ、その奔流が若さだとすれば、その若さを唯一徳として認めているのがアメリカかも知れない。それが世界がアメリカを嫌いきれないひとつの理由でしょうか。