オゥエィシスっ!

 僕は最近の日本の男性ヴォーカルの、なんか大の男が母ちゃんに甘えるような薄ってらい歌声がだいっ

嫌いです。いや、別に僕自身がそういうなよなよっちい男とは全く違うぜっ、なんていう積りはないんで

すが、単純に気持ち悪いんですよね。ああいうのを喜んで聴ける女の子はやっぱ強いんだなぁ、なんて思

ってしまいます。


 とにかく、友達の彼女を好きになっちゃったから寝ちゃった、とか、彼女がいるけどバイト先の女の子

とも付き合っちゃってる、とか、そういう大学生的な狭~い温~い世界観に虫唾が走るわけです。それが

青春だ、といわれればそれまでかも知れないですが、せめてフィクションの世界でくらいもっと遠くを見

れないのか?と思う訳です。こちとら歌でまで手前の中身のないイロコイの自慢なんか聴きたくねえ。


 荒れてしまいました(汗)。そういうわけで、邦楽、洋楽含めて世の中に流通してる男の声のほとんど

は僕には完全には受け入れ難いものなのですが、そんな中で僕にとってある意味無条件に好きな声が、甲

斐よしひろと、オアシスのリアム・ギャラガーの声です。


 このふたりの声なら、ライヴで声が出てなかろうが、音程外そうが、あ~あまたやっちゃって~w、位

のもんです。アルバムがしょぼくても、全曲聴きます。ほとんど覚えます。そんなに愛せる声はこのふた

りの声しかありません。きっと彼らの声は、僕の憧れる<少年の声>に近いのだと思います。


 実は、ちょっと音楽再生装置に凝りはじめてからずっと、オアシスの音が自分的には何だか違う、がっ

かりする感じの鳴り方で、やっぱオアシスはベースバースト利かせまくりのラジカセで聴くもんなんかな

あ、と、あまりかける気になれない状況になっていたのですが、今日壁コンを変えて、アルバム"Don't B

-eieve the Truth"をかけてみたら、やたらといいのです。あんまり分析的な書き方をしたくないのです

が、リアムのヴォーカルがこっちに向かってくる感じで、音もソリッドに広がってダイナミックさと勢い

を獲得しています。とにかく聴きたかったオアシスの音に近づいているのです。


 やっぱりどんなにフィリッパ・ジョルダーノとか声が色っぽかろうが、それは遠い世界の声で僕には愛

することはできない偶像です。どんなに技術的には稚拙だろうが、録音が悪かろうが、僕がより生きた音

で聴きたいと願うのはこのふたりの声なのだ、と実感しました。かれら以外になかなかこれ、という声に

出会えないのは残念ですが、とにかくすでに持っていることが幸せなことではないかと思えます。