Спокойной ночи!

Спокойной ночи!“スパコーイナイ・ノーチ!”

「おやすみなさい」


спокойныйё「静かな、穏やかな、平和な」

ночь「夜」


 外国語って、日本の言葉の使い方からすると、変化球のような意味の組み合わせで常套句をつくってた

りします。このことばもそのひとつでしょう。


 一般に、ロシア語を習うとき、はじめの方でまとめて出てくる挨拶は、ズドゥラーストヴィーチェ!

「こんにちは」、ドーヴルィ ウートラ!「おはよう」、ダ スヴィダーニャ「さようなら」などがあり

ますが、「おやすみなさい」はないようです。


 「平和な夜を!」。なんだかいい夢みろよ、って感じで親しみのこもった挨拶でいいなあ、と思うんで

すが、もしかしてあんまロシアのひとはいわないんでしょうか。


 ずっと気になってるのが「いただきます」。日本人のさがなのか、ご飯をいただく前に何もいわずに食

べだすのは非常に気がひけます。調べても、そのものずばりの言葉はないようです。宗教的な地域ではお

祈りをしてから食べるのが正式なかたちのように思えますが、「いただきます」くらいの無礼すぎず、慇

懃すぎない丁度いい按配のことばがいかに使い勝手がいいかわかります。