年齢詐称の声?

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 頭が痛いです。この時期に風邪をひいたらしい。


 風邪ひくと大体咽喉からお腹に菌が下って行く感じなんですが、最近は耳にも影響があるみたいです。

片耳が詰って聞こえが悪いです。


 この間お店で試聴に使って初めて聴いたリッキー・リー・ジョーンズのアルバムを買ってきました。"P

-op Pop"という1991年発表のスタンダート・カヴァーアルバム。といっても、知ってる曲全然ありません

・・・。アメリカ人とかイギリス人はスタンダートナンバーのカヴァーが好きなようで、有名歌手が歌う

スタンダート集なんかは例外なく大ヒットするようです。最近もロッド・スチュワートが企画盤だして来

日まで来て宣伝してましたね。ですが、ほとんどは大昔のミュージカル映画の主題歌とかで縁遠く感じる

ものばっかり。完全に<内向き>な嗜好だと思うのですが、こういうのまで異文化圏で売ろうというのは

ちょっと厚顔な感じがしていやですね(いや、別にいいんですけどね~)。


 話が逸れました。お店で試聴したときはリッキー・リー・ジョーンズの声がすっごく色っぽかったので

すが、うちで聴いてみるとえらく若返る感じ。からっとしてて小娘っぽいです。曲によっては14歳くらい

な感じ。まあ予想はついてましたが(お店で聴いたスピーカーは女性ヴォーカルの声にじめっと色気が入

る感じのものだった)。


 スピーカーを通して聴く声というのは面白いもので、条件によって全然違って聴こえます。多分歌う本

人にもどれが自分のほんとの声か実際のところわかってはいないのではないでしょうか。昔に比べて、声

に深みのない子供っぽい声の歌い手が増えたような気がするのも、僕たちが音楽を聞く手段が主にCDのよ

うなデジタルの手段によるようになったからかも知れません。


 なんとなく、スモーキーな声とか、ねっとりとしていながらも枯れた嗄れ声とか、アナログ時代の歌手

は独特な声質を持ってる人が多かったように思い込んでいますが、それも所詮は再生するメディアが生み

出した幻想なんでしょうかね。そういや筒井康隆の『ジャズ小説』という短編集に、誰もが何故か懐かし

さを覚える歌声を持つ女性歌手の歌い方が、実は幼い頃から聴いていた父親の集めていたSP盤に大量に乗

っていたノイズまでも知らず知らずに再現していた、というような話がありました。現実にはそんなこと

は不可能なんでしょうが、確かにレコードのようなメディアが誕生しなければ、嗄れ声や潰れたような声

の歌い手が白人社会においてこれほど広く好まれるようになどならなかったかも知れません。カストラー

トや聖歌隊なんかの存在を見ても、レコード誕生以前のヨーロッパ人はむしろ非常に澄んだ声に魅力を覚

えていたのではないかと思えます。そういう意味では、メディアがひとの耳の好みをつくってきたのでは

ないかとも考えられそうですね。