バーン キャッシュ バーン

 タ○レコでジョニー・キャッシュの<ラストアルバム>”AMERICAN Ⅴ”を買って帰ってきたら、なぜか家の人もキャッシュの伝記映画”WALK THE LINE”をレンタルしてきていました。

 ジョニー・キャッシュは日本ではマイナーなカントリーのミュージシャンという分け方になっているため、同じような伝記映画がつくられたレイ・チャールズより知られていないようです。僕も、名前は知っていましたが、曲を聴くのは初めて。

 キャッシュは生前から、なぜか洋楽ロック専門誌『ロ○キン○オン』で小さくながら何度か記事が出ているのを見かけたことがあり、NIRVANAの曲をカントリーカヴァーしているなどの情報を見て、聴いてみたいと思っていましたが、その前に亡くなってしまいました。

 このラスト・レコーディングアルバムは、アメリカのビルボードチャートでは1位になったとのことで、日本でも映画公開された影響かでかでかと陳列されていました。本当は知っているロックなどのカヴァーをしているアルバムを探しているのですが、見つからないのでいきなりラストアルバムから買ってしまいました。

 カントリーというと、一言でいうと<ダサい>イメージですが、さすがにジョニー・キャッシュは唄い方も結構モダナイズされていて、聴きやすいですね。かれは新しいミュージシャンの曲も積極的にカヴァーする時代性をずっと保ち続けたミュージシャンのようですが、残念ながら映画ではその辺のことはちらりとしか描写されていませんでした。

 映画は、”RAY”(レイ・チャールズの伝記映画)と同じ映画かと見紛うほど似たようなシーンが多くて、改めてアメリカの初期ポップミュージシャンのサーカス団的ドサ回りの凄さを見せ付けられました。この頃のスターたちには、ドラッグ中毒と決別できるか否かという分かれ道が必ずあって、それを乗り終えたひとは結構生涯人気的には余り翳りを見せないまま全うしたひとが多いようですね。アメリカ人のマンネリ好き、もとい懐の深さがわかるというものですw。

 結構ハードな歌詞で知られているキャッシュですが、ひつこいを通り越して呆れるまでに二度目の妻、ジェーン・カーターにアタックし続けて最後はライヴのステージ上で求婚、OKを貰うというベタベタな展開はまさにアメリカならでは(その前にすれ違いの糟糠の妻に出て行かれるというお約束の展開も(TT))。やっぱりかなり泥臭いかもw。

 しかし、キャッシュ、いい声です。エルヴィスほど歌謡曲っぽくなく、適度に乾いた低い声は晩年の録音でも味があるのは当然として、力強く響きます。