野球ニュース「八重山商工・伊志嶺監督がロッテを門前払い宣言」

八重山商工・伊志嶺監督がロッテを門前払い宣言

2006年9月27日(水) 8時3分 スポーツ報知

 25日の高校生ドラフトで強行指名の末、ロッテが交渉権を獲得した八重山商工大嶺祐太投手(18)について、伊志嶺吉盛監督(52)が26日、国体終了後に同校で行われる予定の初交渉に、出席しない方針を示した。

 まさかの強奪劇から一夜明けても、怒りは収まらなかった。昨夜は深夜2時近くまで寝付けなかったという指揮官は「どうも、やりきれないんだよね」と首をかしげ、ソフトバンク入団の夢が消えた大嶺は、精神的なショックから、早朝練習に姿を見せなかった。

 ロッテからはバレンタイン監督、瀬戸山球団代表が初交渉の席に着く予定だが、伊志嶺監督は「監督と球団代表には会いたくない」と語気を強めた。欠席の意思は、永野スカウトが“指名予告”をした25日の電話の中でも伝えており「もういいでしょう。アメリカ人とは、言葉も気持ちも通じないよ」と堂々の“門前払い”を宣言した。

 大嶺のみの出席の可能性についても「あり得ないでしょう」と伊志嶺監督。また、この日は同監督の次男・孝寛さん(22)が所属する社会人チーム「一光」からも入団への誘いの電話も受けた。浪人生活を含め、選択肢が増えたことで、交渉はますます難航を極めそうだ。


http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20060927&a=20060927-00000081-sph-spo

 何でここで監督がしゃしゃり出てくるんでしょう?大嶺選手の進路はこの人が決めることですか?

別に大嶺選手本人がマリーンズはどうしても嫌だ、3年、あるいは4年待ってもホークスに入りたい、というなら別段それについてどうこういうことではないのですが、ここで監督とはいえ、赤の他人が選手の進路の決定権があるかのような発言をすることに疑問を感じます。

 大嶺選手の声を代弁しているのかも知れませんが、それにしても踏み込んだ発言をしすぎではないでしょうか。

 この人の個人的利害、例えば大嶺選手の入団を条件にホークスから何らかの利益を得ていたのではないかという勘繰りさえしたくなります(それが将来八重山商工から選手を優先的に獲りますよ、というパイプ作りの口約束だってそれに当てはまります)。

 現状ではそれが正しいかどうかは別にして、高校生のドラフトでは指名される側が球団を選ぶ権利はありません。他の指名が競合した選手たちも、選べるなら本来は違った球団に行きたかったかも知れません。そんな中で、本人が自分の意思を貫き、断固として、来るかどうかわからない、行きたい球団に指名される次のチャンスを待つというのならともかく、周囲の大人が球団側と結託して、選手が自分の意思を示す前に、選手の将来の見取り図を勝手に描いているとしたら、それは教育者として余りに身勝手ではないでしょうか。別にこのひとが絶対にそうだとはいいませんし、もしそうだとしてもこの人だけがそういった癒着関係にあるとは思いません。全国の高校でこういった関係はこれまで半ば公然の秘密として存在しているでしょうし。

 ですが、そういった都合があるとしても、生徒をこれから社会に送り出す教育者の立場なら、相手球団のやり方が無礼だと感じても(少なくともマリーンズ側は事前に十分に本人の意思を確かめなかったかも知れませんが、プロ入り志望届けを出したということは12球団どこに指名されても構わない(入団するかは別として)という意思表示の筈であり、球団側がルールを踏み外したということにはなりません)、それを忍んででも、また、選手が嫌だというのなら自分ひとりでも、とにかく一緒の席に着いて、相手の話を一度聞いてみて、それを虚心に生徒に伝えてから初めて自分のアドヴァイスをするべきでしょう。それを生徒の心情を思いやってのことかもしれませんが、自分も一緒になって感情をムキ出し、勝手にこういった生徒の将来を左右しかねない発言をしてしまうのははっきりいって教育者失格です。

 スポーツ選手は来年どうなっているかわからない、とはよくいいますが、ホークスがもし何があっても数年後に必ず指名する約束をしたとしても、その後の一生の面倒まで見てくれるのでしょうか?そういった例も確かにあるようですが・・・・。他の選手はリスクを承知でプロの世界に飛び込むのに、ひとりの選手にだけそういった便宜がはかられるのには首を傾げざるを得ません。

 問題があるとしても、ルールはルールです。ゴネ得のようなことはどんな場合も許してはいけないと思います。