マイ・ファニー・ヴァレンタイン

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 ジャズのレヴューは俺がやらなくてももっと好きな人が一杯やってるので普段は遠慮しているのですがw、このアルバムは最近大好きなので記事にしちゃいます。

 MILES DAVIS"MY FUNNY VALENTINE MILES DAVIS IN CONCERT"(1964)。このライヴアルバムはとにかく全曲いいです。ジャズの昔のアルバムは収録時間が短くて、すぐに聴き終わってしまって物足りないことも多いのですが、このアルバムは60分以上あって密度が濃く、何回も聴いていますが飽きません。テンションが高く、技術的にもフリージャズ以前のスタイルとしては完成された感じがします。特にいいのが超ハイテンションな'Stella by Starlight'。マイルス・デイビスのクールな熱さが最大限に現れた演奏ではないでしょうか。確か同じ年に沢山出たライヴアルバムの殆どに収録されている'All Blues'は、他と同様原曲よりかなり速いペースで演奏されていますが、ここでのものが一番がさつになりすぎず気品を保ったすれすれの危うい色気を醸し出すことに成功していると思います。また、これはこのアルバム自体の特徴であるといえるのではないでしょうか。

 この年のマイルス・ディヴィスはライヴアルバムを非常に沢山出していて、俺もこのアルバムの他に"Miles in Berlin"と"Four and More"、63年発表ですが"Miles in Europe"を持っていますが、全部印象が違いますね。つくづくこの頃のジャズは一秒毎に新しいものが生み出される瞬間の芸術だったのだと思います。