THE BODY ACOUSTIC

 Cyndi Lauper "The Body Acoustic"(2005)。

 シンディ・ローパーといえば、日本では過去の人、というよりも忘れ去られた80年代洋楽ポッポスターという扱いだと思うが、本国アメリカでもその扱いは余り変わりないようで、しばらくインディーレーベルで活動していた時期まであったようです。

 デヴュー当時は周囲に勝手にマドンナのライヴァルとされたりしたらしいシンディですが、年齢的にはマドンナよりも結構上で、現在ではもう50歳を過ぎています。結構トシいってからのデヴューの多いアメリカのアーティストの中でも、苦労人の部類に入るようです。

 俺がシンディ・ローパーに興味を持ったのはここ2、3年のことで、それまではやたら声がキンキラ高い歌手という印象しかありませんでしたw。それがちょっと変わったのはMTVで'Time After Time'のプロモを観てからで、ただのバラッドだと思っていたこの曲が、えらくアレグロなアレンジだったことに初めて気づき、CDで聴いてみたらどんな感じなんだろう?と興味を持ったことがきっかけです。

 'Time After Time'はMiles Davisをはじめ多くのアーティストにカヴァーされている人気のあるバラッドですが、原曲が一番アグレッシブなアレンジだと思います。BPMの速さもそうですが、全編に渡って入っているシュッシュッ、というブラシ音のようなものは、はじめえらく耳障りで、CDのディスクに疵でもあるのかと思いましたが、やがてこれを音楽的に再生できるシステムがいいシステムなんじゃないかと思うようになりました。無論曲としての魅力はいうまでもありません(^^。

 さて、このアルバムはセルフカヴァーアルバムで、一部新曲もありますが過去の代表曲をアコースティクアレンジで再録しています。パフィーが1曲参加したりしてますが、向こうの人にとってはどうかわかりませんが日本人にとってはイミフな出来なので無視しときましょうw。

 このアルバムはとにかく生音の響きがいいですね。エコー感がたまらなく良く、空気感は抜群です。シンディは相変わらずハイトーンヴォイスですが、トシ相応のくたびれが感じられます。それもまたいい味が出ています。ここでの'Time After Time'はある意味普通のアレンジといえる12弦ギターをバックにしたダルシマーの弾き語りヴァージョンですが、アウトロにファーストリリースヴァージョンにはなくてその後ライヴで付け加えられるようになったリリックがきちんと入っています。俺はこの曲はこれが入って完全版だと思うのですが、どうでしょうか?せつなさ倍増です。