落下する月

 U2の'So Cruel'、まんまなんだけど、いいですねぇ、この曲。

 短歌とか俳句の世界ですよね、この歌詞は。闇の中で、内なる光だけを見つめてつくった感じ。月と同軌に心は彼方へ返していく。

 今川勉のドラミングを聴くと、KAIFIVEというグループの余りにも急激な変遷に気づかされます。『幻惑されて』において、LED ZEPELLINのポンゾが乗り移ったかのような横揺れの原始のグルーヴを現出していたのが、このアルバムではひたすら直線的な都会の速度を刻む。

 すべてを削ぎ落とした先にあるものが見えていながらも、このプロの集団はバンドの迂闊さのないプロである故に止まることができなかった・・・・・・。