U2 "Achtung Baby"

 こないだ「落下する月」のレヴュー(感想?なんだろう?w)書いてから、CD-Rでしか持っていなかったこのアルバムをまた聴きたくなり、買ってきました。しかし、最近は輸入盤も高くなりました。明らかに国内盤と価格をわざと合わせて売ってるものが多いみたい。ホントに日本の音楽業界は碌でもないことしか思いつきません・・・。91年のオリジナル・マスターのままなのに3000円近い値段に少し閉口。まあ、最新リマスタリングだからいいって話でもないけどさ。こういう時って、買った後すぐに廉価版で再発されたりするんだよなぁ・・・ブツクサ。

 内容と関係のない前置きばかり長くなりましたが(^^;、『嵐の明日』、『Partner』あたりが好きなひとなら、このアルバムは結構気に入ると思います。別に「落下する月」、「Cry」の元ネタが入ってるから、というだけではありませんがw。甲斐よしひろのリリカルな曲はかなりU2の影響は大きいと思います。このアルバムも発売当時はバリバリのロックバンドU2ブライアン・イーノと組んでアヴァンギャルド路線に転向したという衝撃ばかりが先行していたようですが、内容としては非常にメロディの美しい曲が多く、'One'、'So Cruel'、'Love is Blind'など佳曲といっていいでしょう。

 しかし、'So Cruel'を改めて聴くと、ややたらたらとした曲調の同曲に対して、「落下する月」は明と暗のコントラストの非常にはっきりとしたアレンジに消化していることがわかります。サビのメロディは実は同じアルバムの'Ultra Violet(Light My Way)'からのいただきか?w。甲斐よしひろの優れたところは、ややもするとアイデア一発で日本人の耳には単調な展開に終止してしまう向こうの音楽を打ち直(ミクスチャー)して、新たな魅力を持つ<J-POP>をつくりだしてしまえるところだと思う。

 U2の曲は世界的に見れば非常にポップでキャッチーなメロディで受け入れられているのだと思いますが、それでも日本の感覚からすると結構地味な展開。甲斐よしひろの書く曲は意外と強引な転調が多く、それが日本人好みのメリハリを生み出しているのだろうと思います。