涙の十番街

地下室のメロディー』というアルバムは発表当時すでにそうだったのかどうか判らないけれど、ジャケット写真通りビートジェネレーションとかフィルム・ノワールとかニューシネマという言葉を思い出す雰囲気のちょっと時代錯誤な感覚かする。その中の代表曲である「地下室のメロディー」と「漂泊者」はアレンジがちょっと個人的に残念(あの木琴の音フューチャーしすぎが個人的には苦手w。「チュニジアの夜」みたいな感じの、もっとベタなジャズアレンジだったらなぁ、と思ったり)な感じなんですが、アルバム曲にはサントラ的雰囲気のあるいい曲が多いと思う。この後の『破れたハートを売り物に』から大きく変貌していくことを考えると、旧甲斐バンドサウンドの集大成、アップトゥデイトな『英雄と悪漢』(勿論当時の時点で)、原点回帰というつもりでつくったのかもしれない。

その中でもかなり映像的な感覚がするのがこの曲と「ダイヤル4を廻せ」、「スローなブギにしてくれ」。サントラ的なムードという意味ではかなり完成度が高いと思うが、ライヴではやはり合わないのか聴いた覚えがない。

何で「涙の十番街」が表題かというと、最近カラオケで歌ったのと、歌詞が意外と、らしくなくていいなぁ、とw。

ソロ以降はオーソドックスな曲作りのものが多い気がしますけど、意外と甲斐バンド時代の方はバラエティに富んでてひねりを感じるものが多い。安奈、HEROのイメージで語るのは良くないです。そういう意味でこの2曲は嫌いだなぁ。こんなこと書いてる僕はソロ以降の方が好きな派です。

チュニジアの夜
http://www.youtube.com/watch?v=CG99X3iA5r0