西部の無法者


中学生の頃は学校の図書館の本を読みまくっていたのですが、そのジャンルはというと古いSFとかホラーとか戦記物とかの娯楽作ばかり。映画でいうB級ですな。読んでいたものは皆その時点でも2、30年くらい前に揃えたんじゃないかと思われる古臭いものばかりだったのですが、中でも時代を感じさせたのが西部劇もの。少年向けの読み物で西部劇なんてその頃でもまず本屋などには並んでいなかったのですが、僕はやけにはまってかなり読んでいた記憶があります。西部開拓時代なんて今ではネイティブアメリカンへの同情と白人への嫌悪感でそんなにいいイメージがないんで、どこを面白がってたのかイマイチ思い出せないんですが、勇壮さとか壮烈さに酔ってたんでしょうね。そういうムードが好きな方なので。でも演技系の三国志ははじめっから劉備とか関羽とかただの変な理屈で正義面する偽善者にしか見えず、しかもどの辺が見せ場なのかわからない間抜けな行動ばかりで、どこがそんなに魅力的なのか全然理解できませんでしたが。初めからなぜか曹操シンパでしたね。中国人とはセンスが違うらしい。

その後は西部劇マニアになることもなく忘れ去り(SFマニアにもホラーマニアにも太平洋戦争マニアにもならなかったけど)、その後ちょっとあった西部劇リバイバルも、へっ、下らねーって感じで観る気も起らなかったんですが(ロバート・ロドリゲスの作品は面白いけど)、今は毎夜テキサスの廣野を駆け回ってます。ひゃっほー、俺は帰ってきたぜ!

と、いうわけで、西部劇ゲーム、レッド・デッド・リデンプションやってます。この間まではデッドライジング2でゾンビの頭ぶっ飛ばしてたんですが(まぁあのゲームはどっちかっていうとおかしくなった人間ぶっ殺してる印象の方が強いですけど)、ようやく一応のエンディングを迎えて、今度はお馬ぶっ飛ばして大西部を縦横に駆け回ってるってわけですよ。

シナリオの本筋は人助けと悪党退治のヒーローを目指すものなんですが、この間まで寄ってくる者皆人外の咬み付き魔ばっかの世界で生きていたせいか、どうしても道行く人皆射殺し街は略奪の限りを尽くしたい衝動に勝てません(いや、マズいだろ)。ちょっとだけ、試しに、なんて思ってすれ違いざまに馬車を撃って追われまくる破目になりSATSUGAIされまくっても、ついつい悪行を繰り返してしまい、いつの間にか自分が高額懸賞金付の大悪党になって、時には町にはいっただけで自警団に追われる身に。いつの間にか夜も更けて、全然本筋が進まないままです。

しかしこのゲーム、こんだけ虐殺を繰り返していても、イベントなどでは平気な顔で人助けや保安官の傍について悪党退治をし、妻子ある身でありながら牧場主の娘といい感じの会話を楽しんでいるのですから、こんな奴が実際にいたら無茶苦茶危ないサイコ野郎かキングの小説並の二重人格としか思えません。いや、そんなこといったら操作してるのは俺なんで俺がアブないってことになっちまいますけどね。危険なゲームだなぁ(このタイトルのせいにすな)。でも、野生動物やお馬さんや鳥はあんまり撃ちたくないんだよね、かわいいから。アライグマかわいい。クーガかわいいよ、襲われるけど。