話半分

oasisの2ndアルバムからのシングルの一曲、"Don't Look Back in Anger"の歌詞に
「頼むからロックンロールバンドなんかに全てを預けないでくれ」
という一節があります。
世の中、他人と付き合ってると失望することだらけです。ちょっと深い関わりになると俗なところ、悪癖が見えてきます。しかし、その人はアイドルであることを約束したわけではない。勝手に偶像化しているのはこっちなのです。
僕には、いつの間にかすべてのひとのことばを話半分に聴くような習慣が身についてしまっています。これはいき方としては損をしている部分も多いと思います。学ぶ、ということには素直さが最大の妙薬でしょう。
しかし、オールオアナッシング、信じきるか全否定するか、というのよりはいいのではないかなあ、とも思います。ネット社会ねんかを覗いてみると、随分色々な面白い人がいます。えらく極端なひとも大勢いるようです。
僕はすごいなあ、と思いながらも、その人の上澄みだけを楽しむ、その代わり裏切られた、と憤りを感じる権利もありません。
すごくドライでチャラいいき方だと思いますが、なんだか今の日本を見ているとそういう部分も必要なのではないかとも感じられます。

本日のBGM

甲斐よしひろ 「KAI YOSHIHIRO Ⅱ CHAOS」
甲斐よしひろというひとは、かれ自身好きだというヘミングウェイと同様、マッチョぶりたがる傾向があるのですが、ひどく脆い部分も持ったひとだと思います。そういうところが、萩尾望都などに愛される要因ともなっているのでしょう。このアルバムは彼が甲斐バンドからソロになって2枚目のアルバムとして1989年に発表されたものですが、甲斐よしひろのそういう脆い部分が全面に渡って出ている唯一の作品だと思います。アンニュイとか、やけっぱちというのとも違う、全ての音がひどく儚くて、高校時代は一番好きなアルバムでした。
テレビなんかではなんかわけわからん浮いたおっさんの甲斐さんですが、ライヴではほんとにキュートでセクシーで<萌え萌え>です(笑)。永遠の少年というのはほんとですね。今年はひさびさにすごくいい感じなので、もう一回ぐらいバンドでツアーを回って欲しいですね。