「わたしはカモメ」

 Я чайка ヤー チャーイカ


 ロシア語基礎会話の教科書なんかにはよく出ている文例だと思います。チェーホフの戯曲「カモメ」の科白で、人類初の女性宇宙飛行士テレシコヴァが通信文として用いたことで知られています(少なくとも日本では)。

 でも、「ロシア語ちょっとは勉強したよ~、例えば”ヤー チャーイカ”とか」と何かの折にいったら、「チャーイカ?あなたが~?」と笑われました。


 どうもロシアではカモメというと、乱暴者の代名詞のような意味合いもあるらしい。ギャングとか海賊とか。ちなみに、映画『パイレーツ オブ カリビアン」の<ジャック・スパロウ>の"sparrow"「スズメ」も、ゴミとかをさっと啄んで逃げていくなんとなく薄汚いイメージがあるみたいです(ロシア語だとバラベーイ(でも発音は「ワラビー」に聴こえる))。


 でもネットで調べたところ、<チャーイカ>はホテルとか時計会社の名前とか色んな愛称にも用いられ、ロシアのひとびとにはやはり愛着のある動物のようですので、一般的にツバメにこういったスラング的な意味合いが浸透しているかどうかはわかりません。ただ、<かわいい>だけのイメージでないところになんとなくより生活に密着した感じが出てると思うのですがどうでしょう。