Собака(サバーカ)「犬」

 僕は猫ファン猫好きで、犬はちょろちょろ、うろうろ、まとわりついて余り好きではないのだが、僕自身、

「あなたはちょろちょろ、うろうろまとわりついて犬みたい」

 と煙たがられてしまう。

 自分で判っていても、どうしてもいつも、うろうろさもしげ物欲しげにうろつき後をついて回る哀れな犬のような態度になってしまうのだ。

 Robert Johnsonの、'Love in Vain Blues'('Love in Vain'の名でThe Rolling Stonesがよく演奏している)は、
「スーツケースをぶら下げて、駅までかの女についていった。駅に列車が滑り込んできて、かの女の瞳を覗き込んだ 列車は駅を出て行った、後に二つの灯りを残して。青い灯は僕のブルーな心、赤い灯は僕の心」
というような内容なのだが、この、女の後をしょんぼり、とぼとぼかの女のスーツケース下げてついてくナヨッちい男の姿が、自分に重なって見えてしょうがない。