金が欲しいのさ!オーイエ~イ

イメージ 1

 ソロの末期からKAIFIVEをはじめた頃にかけて、甲斐よしひろはしきりと、「金を欲しがることは悪いことじゃない」、「夢を叶えるためにガツガツするのはカッコ悪くない」というようなことを発言していたらしい。らしい、というのは僕も会報のインタヴューで後追いで読んで知っているだけだからなのだが、確かにこの頃の甲斐よしひろは、とにかくデッカくなりたい、金が欲しい、というようなニュアンスの詞(ことば)を意識的に用いていたようで、40歳近くになって新しいバンド(本人はユニットといっていたが・・・・、今や死語ですかねw)を組む己を自ら奮い立たせ、鼓舞する意味合いもあったのでしょう。

 KAIFIVEの1stアルバム『幻惑されて』にも、「報酬(わけまえ)(名ばかりで愛しいビッグマウス・ブルース)」と、「顔役」という特にそれを意識させる曲が収録されている。その「報酬」の歌詞の一部。

金が欲しいのさ OH YEAH 現金(げんなま)でこの手に今すぐ
あぶく銭でも はした金でも 借りた金でもいい

一攫千金 夢がなぜ悪い
人はおろかな事というが

夢はほしがる事から Baby 始まるんだぜ そうだろう

 ・・・・横浜銀蝿かキャロルみたいw。

 でも、ファンの贔屓目かもしれませんが、こんな我利我利なことを唄っていても、甲斐よしひろは全然ガツガツしてたり、油ギッシュだったり、ヤンキー系wの匂いはしない。田舎から出てきてひと財産つくってやる!みたいな泥臭さがなくて、なんとなく、育ちの良さ、お坊っちゃま然とした甘さがある。やっぱ末っ子だから・・・・?w。いやいや、ただ、この甘さ、何となく少年らしい真っ直ぐさが、甲斐バンド時代から結構男っぽい発言をしていながら矢沢永吉のようにはヤンキー受けしなかった要因であり、また、作家などを惹きつけてきた魅力でもあるのだと思う。

金が欲しいのさ OH YEAH 大金ならもう最高
人には なんとでも いわせておけよ
一旗あげる 俺はドリーマー

ああいつも うずうずしてる
人がびっくりするような
ああいつも うずうずしてる
大きなことを したくってさ
ああいつも ウロウロしてる
今夜はもう帰らないって
ああいつも うろうろしてる
彼女にいれなきゃテレフォンを

 甲斐よしひろはいつでもドリーマーで、その視線は真っ直ぐだけれど、ちょっと女の子をクスッとさせるようなかわいらしさも持っているし、どこかに他者を求めることを止められない甘さを持ち続けている。一見らしくもなく思えるけれど、この曲はそんな甲斐さんの魅力がぎゅっと詰った一曲だと思います。