1BIT

以前に書いたことがありますが、僕がオーディオに興味を持つきっかけをつくったのが、Sharpの1BITミニコンポAuviシリーズと、当時まだトランジスタアンプだったONKYOのミニコンポの音でした。2002年頃のことだったでしょうか。

当時は1BITとONKYO、まったく正反対の方向性の音だ、と思ったものですが、今やSharpはオーディオからほぼ撤退完了、ONKYOはというとすべてのラインナップにデジタルアンプを採用、1BITミニコンポの後釜として某田苑さんでお薦めされるようになっているんですから、わからんもんですw。


さて、それはともかく。


昨日親へのプレゼントとして、エコモールでSHARPのSD-CX8を買って来ました。丁度僕が初めて聴いた2002-2003年頃の製品ですね。前の持ち主はそれなりにこだわりのある人だったらしく、付属のケーブルは端末を半田で処理してありましたw。その後出たラインナップはコストダウンが激しい印象だったので、やはりこの辺りのものが最も人気があるようで、中古で見かけるのも大体この時期の奴ですね。このモデルは当時でも最廉価ですが、それなりに大事に(多分サブシステムとして)これまで使ってこられたもののようです。

久方振りに1BITデジタルアンプの音を聴いたのですが、あれ以来結構色んな音を聴いてきた後でも、印象は変わらないですね。鮮烈かつ無色透明な音です。

勿論情報量の少なさや、音色の不自然さなど不満はありますが、現在の基準でもこの価格のミニコンとしては十分聴けるのではないでしょうか。とにかく、1BITの美点である音の鮮烈さはボン置きでも、付属の安っぽいスピーカーでも十分出てますからね。

一番現実の音の減衰の仕方が再現できているのが1BITアンプな気がします。BITが不足しているというか、情報の間引きが激しい感じはしますが、それはソースであるCDの問題でしょう。現実の音はかなりピークが鋭いのですが、(なぜか同じ原理のSACDでは妙にエッジが丸くなってその点では1BITアンプと印象が逆なんですよね。ナゼだ?)


これに比べると、やはり「トランジスタはぼやけた眠たい音がする」というのは当たってると思います。それでも当時、自分のウデ次第で音を追い込んでいける長所を感じて、僕は1BITの方向性の音ではなく、トランジスタアンプの音の方を選んだのですが、どこまで行ってもこの音の鮮烈さというのは天性のものですからね。1BITは素肌美人、トランジスタは化粧で映える美人、という感じですw。


やっぱりお化粧が上手ければ化けてくれる方が付き合っていく上で面白みはありますが、とはいえ素肌美人の魅力も認めない訳にはいきません。アブノーマルな刺激もありつつの色々と変化に富んだ生活は楽しいのですが、時には巧まず健康的な、ベッドのシーツも服も真っ白で、朝食はミキサーでつくった新鮮な野菜ジュース、みたいなどっかの洗剤のCMのような生活への憧憬も頭をもたげますw。


今年は、夏用システムとして1BITアンプを使ってみようかしらん。汗ダラダラで狭い部屋で差し向かいでは、お化粧が崩れまくってトランジスタ部隊(&年増の魅力の真空管もw)も、見られたくない姿でしょうしかわいそうですw。SM-SX10辺りがせめて7万くらいで手に入ればなぁ・・・・。


柄にもなく、オーディオエッセイ調の文章になってしまいましたw。