i.l.y.v.m.

A.G.LIVE（アポロシアター）だけでなく、カオスツアー本編でもこのアレンジで演ってたなら、どうして初めからこっちでリリースしないんだ、と（笑）。こっちのアレンジの方が断然好みですね。

何回も書いてる気がしますけど、甲斐さんの風貌、髪型もこの頃が一番かっこいいと思う。そしてツアーではアルバムと異なるアプローチで楽曲を再構成してきているのも最高だ。僕はどっちかというとライヴならジャズ的なものが好きなので、アルバム通りのアレンジを再現するようなライヴは、実はそんなに面白みが感じられない。この頃のメンバーが技量的にもアレンジメントの理解能力的にも甲斐よしひろのキャリアの中で最高だったと思う。本来、甲斐よしひろの頭の中にあるかたちをライヴで構築するには、JAH-RAHみたいな荒削りさがウリのバックでは合わない。勿論現在はラフなロックンロールの疾走感を出すために敢えて起用し続けているのはわかる。しかし、甲斐よしひろの本質は果たしてロックンローラーなのだろうか？

その答えは、過去のスタジオアルバムを聴いて判断して欲しい。加藤和彦が亡くなったときに、甲斐よしひろはラジオで「僕も経験あるけど、芸術芸術で突き詰めていっちゃうとどんどん自分がきつくなる、ビジネス、娯楽として割り切らないと」と、カオスぐらいの時期の自分に対しての自嘲気味なことを語っていたようだが、果たして現在の姿勢が到達点なのだろうか。そう考えているとすれば、ちょっと悲しい。