マヨバネックスのお言葉

ゴールデンイーグルス時代に習得したスキル<ぽえむ>で実況・解説のネタを提供してくれるフェルナンデス先生です(笑)。

基本的に自己啓発メッセージみたいなのは嫌いなんですが、ひとつには日本の文化には本来そういうジャンルがないからで、どうしても日本人のは言葉が軽いし浅いんですよね。イチローとか、何うまいこといおうとしてんだか、って感じで白けますわ。その点、大昔から箴言・格言という分野を育ててきた西洋、いってる内容はワンパターンでも、教養として根付いている分、何となく重々しく、調子がいいのは得だと思います。

やっぱり日本人の場合、こういう方面で西洋に追いつこうとしたり対抗しようとしても無駄だし意味ないですね。そもそも教養ってのは自己目的、身についていることにのみ意味があるんです。日本人は俳句や和歌、あの調子じゃなきゃいけない。情緒だけしかないですけど、それは仕方ない。1000年かけてそれしか根付かなかったんだから(笑)。

やっぱりこの30年くらいでそういうものが身につかないようになってしまったのは結構な教養の危機だと思いますね。教養というものは無内容だけれど経済なんかよりずっと必要だと思う。今日本人が惨めなのはそれを失ったせいじゃないだろうか。どんなに貧乏だろうが、金持ちだろうが、それなりの言葉を持てれば尊厳が備わるし、言葉を持たなければ醜いんですよ。はっきりいい切っちゃいますけど。したり顔で経済評論とかに出てる派遣会社のおばはんとか呑み屋のおっさんの言葉のなんと軽く、醜いこと。

結局、個人が頭の中でこねくり回したり、人生の中のごくわずかな経験に基づいて生み出した、どんな思想をもってるかとか、それが正しいかどうかなんてことは、重要ではない。そんなもんより歴史によって研磨されてきた箴言とか俳句のひとつの方がよっぽどその人の姿を空に位置付ける。人間以外の動物の習性と同じですよ。何万年もかけて形成されてきたスタイルがあるから、彼らは生きてそこにいるだけで美しい。勝ってるとか負けてるとか全然関係ない。

アホな安部のおっさんとか石原のじぃさんとか品格のおばはんとはまったく逆の意味合いでいってますが、結局、生きるものはすべては星であり、生なんて如何にそこに帰るか、の表現でしかない。そして人間はそれを言葉でしか成せない動物だと考えるのです。