ショック!?

 僕は相当のド近視で、情けないことに眼鏡がないと日常生活にも支障を来たしてしまう程なのですが、昨夜、ちょっと壁にかすった位の拍子に眼鏡の弦が片方折れてしまい、今日は一日ぼや~っとした世界で過ごす破目に陥ってしまいました。

 対象に5cmくらいに近づけば文字も読めないことはないのですが、本屋なんかでそれをやってると相当怪しい人でしょうね。以前、雑誌を舐めるように上から下に動かしながら立ち読みしてる人を見て、うわっ変なの~、などと思ったものですが、後で眼鏡をかけずに雑誌を覗き込んだ自分の仕草がまさにそれであったことに気づいて愕然としたことがあります。

 というわけで、今日はしようがないのでどこにも寄らずに早々に帰ってきて、音楽再生装置をがちゃがちゃいじっておりました。

 <似非マルチアンプ>が諦めきれず、YAMAHAのCA-100ⅡのとSATのAmplifixの配線をつなぎ変えたりしてる中で、久々にYAMAHAのアンプからスピーカーにつなげて音を出してみました。

「え、ええやんけ・・・」

 ちょっと止まっちゃいました。

 DIANA KRALLの"LIVE IN PARIS"をかけていたのですが、SATのアンプAmplifixにはない艶のある鳴り方です。しかもスピーカーはオンキヨーのミニコンポのスピーカーの床にべた置き。ケーブルもいつものより安いAUDIOQUESTのものです。一瞬、SATより全然いいかも、と思ってしまいました・・・(汗)。

 冷静になると、音離れが悪く、全体に妙に綺麗に音が丸みを帯びて、えらくムーディな音であると気づくのですが、Amplifixのそっけないまでの音に馴れた耳には、えらく生々しく聴こえます。YAMAHAのスピーカー出力を2系統使っていることも関係あるのでしょうか、音に独特の陰影があるようです。
 ちょっと考えて、Amplifixをプリアンプ、YAMAHAパワーアンプとして使い、ケーブルはそのままでいつものスピーカーMonitor Audio RADIUS90に繋ぎ代えてみました。RADIUSの弱点である低音が更に弱くなった感じですが、解像度はマシになったようです。ムーディさはさっきのほうがあったでしょうか。


 YAMAHAが純A級動作できることが関係しているのかも知れませんが、こういった妙なムーディさは昔の日本のオーディオの音の傾向の一面でもあるような気がします。昔のダイアトーンの安目のスピーカーの音を聴いたときと印象が似ています。何となくムード歌謡っぽいというか、躍動感も深みもないのですが、独特な美意識が感じられます。おそらくこの手のアンプは、性能的にどうしても出てしまう音の滲みを逆手にとって、巧く一種の雰囲気づくりをしているのでしょうが・・・・。

 でも、以前YAMAHAをメインのアンプに使っていたときはあんまりそういう感じは受けなかったんだけどなあ。どっちかというと蒸留水のようなイメージを持っていました。猫被ってただけで、これが奴の正体だったんでしょうか(笑)?

 なんか、音がやけに田舎のナイトクラブ(死語)っぽい雰囲気で、ちょっと聴いてて気恥ずかしいのですが、たまにはこういうのもいいですね。