夢を見るなら・・・でかいほうがいい?

 昨日¥200で手に入れたケミカルズのアナログ、これを聴いてちょっとCDの限界を思い知ってしまいま

した。


 確かに音の分離は悪いのですが、よく気をつけなければそれに思い当たらないほどに、音の密度、存在

感が違う。それに、いつもCDを聴くときに気になるハイハットシンバルのシャリシャリ感がない。打ち込

みビートの押し出しが感じられる。


 クラブアクトたちに、あの唾棄すべきCCCDを比較的抵抗なく採用しているひとが多いのも、好意的に見

れば当然といえるかもしれません。日常的にアナログの音に接している彼らにとってはCDの音とてもとて

も音楽とはいえず、所詮は五十歩百歩という感覚なのでしょう。音楽プレイヤーとは彼らにとっては記録

の再生装置ではなく楽器、武器なのですから。


 今日仕事帰りに久々にオーディオショップに寄って試聴したことでその感覚は強まりました。U2の"Wit

-h or Without You"で試したのですが、一番初めにそこに設置してあったまま聴いたどデカいホーンを片

側3ユニットつけた化け物みたいなスピーカーをこちらも化け物みたいに高そうなパワーアンプで片チャ

ンネルずつ鳴らしてるものでは、小音量でしたが、さすがに非常に自然な広がりのある再生音でした。で

すが、その後にLUXMANのL-550Aという純A級アンプで聴かせて貰った(プレイヤーはESOTERICのスーパー

オーディオCD/CDプレーヤーX-01Limited)QUAD11Lと12Lという2ウェイブックシェルフスピーカーと、ち

ゃんと名前を確かめられなかったのですが、3ウェイの30万くらいのトールボーイスピーカーでは、ライ

ヴのような力感はあるのですが、高音のシャリシャリ感は拭えず、また、僕がいつも家で自分のシステム

を気になる聴いていて気になるドラムとベースが分離せずに出てくる感じも拭いがたくありました。


 まあ、僕のような素人耳で、しかも1時間に満たない試聴で即断することはできないでしょうが、それ

にしても、きちんとした設置の、機材もそれなりをかなり超えた環境でのりスニングであっても依然とし

て同じような問題点が残るのですから、やはりCDのフォーマットとしての根本的な弱点なのでしょう。音

楽をライヴの感覚で聴くのなら、下手に音が分離するような精度はむしろない方が良くて、1ウェイ一発

で荒々しく出してやる方が余程いい再生の仕方なのではないかと思います。


 僕にとっては、ヴォーカルと小編成のバンドのようなものならばいいのですが、音数が多くなるとどう

しても頭の中でこうあるべきだ、と感じる鳴り方でびしっと分離してくれない、楽器らしく鳴ってくれな

い、中途半端さがもどかしい訳です。


 やっぱこれを気にせずにすむようにするには、マルチチャンネルが一番<安上がり>なのかな

あ・・・。