政治力と現実

 ワールドカップグループリーグが終了し、アジア勢が全滅しました(涙)。


 韓国行けそうだったんですが、最後はフランスが意地を見せましたね。実力的にはスイス、フランスと

も伯仲していただけに、残念。


 いつも思うのですが、ワールドカップでアジア枠4、北中米カリブ海枠4も与えられているのは明らか

にバランスがおかしいです。客観的に見て、イラン、サウジアラビア、日本、アメリカなんかが毎大会の

ように出られて、ウルグアイ、コロンビア、ペルーなどが出られない状況というのは、違和感がある。


 特にアジアについていえば、確かに加盟国の数としてはアジアサッカー連盟は枠4を貰ってもおかしく

ないのでしょうが、サッカーの繁栄度、普及度からすれば残念ながらヨーロッパ、南米、アフリカに比べ

てかなりの<後進地域>であることは間違いないでしょう。広大な未開拓のマーケットである北米とアジ

アに、サッカー人気を普及させるための手段としてのFIFAの政治的配慮として枠の優遇がなされてき

たというのが現実です。


 ですが、不当に0.5枠しか与えられず出場機会を奪われてきたオーストラリアのメンバーの殆どがイン

グランドのクラブなどで活躍している事実を見てもわかるように、政治的思惑は逆に大きな不公正感を生

み出しています(まあオーストラリアは次回予選からアジア枠に回るという話ですが)。


 また、このようなぬるいハンデを貰うことはアジアのサッカーの発展にとってもいいこととは思えませ

ん。ワールドカップ本選よりも、予選における修羅場をどれだけ潜り抜けるかの方がチームとしてのレヴ

ェルアップには重要でしょう。大体アジア予選を戦ってきておいて、灼熱の昼のゲームを自らの利とでき

ないばかりか相手よりも先にばてばてになってる日本代表などは、一体何を準備していたのかと問いたく

なります。


 何よりもマーケティングに踊らされて4年に一度のお祭りに大騒ぎするだけでなく、強国といわれる

国々と日本の違いを見つめ、本当にわれわれはサッカーを愛しているのかを問い直した方がいいのではな

いでしょうか。


 まあ、今回の惨敗で次回アジア枠は一つ減らされるという予測がありますし、また、オーストラリアが

アジア枠に回るのなら、日本も安閑とはしていられないでしょうが。