あなたの中の蓮舫、僕の中にも蓮舫 なんてサディスティックな景色

男受けがかなり悪いと思われる蓮舫議員。僕も正直女性として好きなタイプではないのだけれど、バカ女扱いしているのは違うんじゃないかと思う。
 
最近またネタにされている事業仕分けのパフォーマンス。僕は「2位じゃダメなんですか」という発言頭の悪い発言だとは思わない。ヤな女だな~~~とは思うが、寧ろそれに対して自信をもって説得できる言葉を持たない連中に対して、本当にその分野のトップレベルの集まりなのかと情けなくなる。別に一番を目指すことを頭から否定されているわけではないのだ。発言引用
「それは、じゃあ、教えていただきたいのは、1位のところだけをみなさんの企業は利用したいということでしょうか。2位になって、もうちょっと応用したものを提供するということはできないんでしょうか。なぜ1位なんでしょうか。2位になって、もうちょっと安価で分かりやすい応用の技術を提案してあげれば、それは余力のない企業でも利用したいと思われるんじゃないですか。
たとえば1位じゃなくても2位になって、後追いかもしれないけども多様なプログラムを提供することによって、これまで開発した部分を回収してそこからもう少し発展できるような、民間に何かプログラムを売ることはできるのでしょうか。
これ世界一になる理由はなにがあるんでしょうか。2位じゃだめなんでしょうか。あるいはアメリカが作った後に、そこになってある意味、ソフト、あるいはどこかで共同開発、つまりは日本とアメリカが一緒にできるような、なんかそういう夢の共有というのはできないんでしょうか。なぜ1位なんでしょうか。
こんなもの、スポンサー(国民)にお金を出してもらいたいのなら、いちいち説明する言葉を持っていて当然ではないのだろうか。別にその場で全部答えろというわけでもないのだし、「持ち帰って整理してお答えします」でやりゃいいのだし。逆にこんなにきちんきちんとポイントをついてくれていて親切なくらいではないか。別にすべてに全部OKです、大丈夫です、という答えをひねりださなくても、総体的に見て妥当だと考えれば、じゃあ、お金を出してみましょう、賭けてみましょう、というお話になる。
 
こんなのビジネスの現場や学問の現場ではプレゼンテーションとして日常的に行われるやりとりではないか。昔マネーの虎っていうTV番組もあったが、蓮舫を批判している人々はあれを観て四の五の云わずに黙ってお金出してやらないのはおかしい!なんて批判していたんだろうか。日々そういう仕打ちを受けている一般人はあの仕分けの対象の人々よりずっと弱い立場であり、また満足に語れる言葉も持てないために泣いているひとも多い。
 
一般社会では誰もおかしいと思わないことを、どうして「2位じゃいけないんですか」の場合は、皆んなして研究者の事情を推し量り、発言を補強しながら擁護してやる必要があるのだろうか。結局のところ、単に小癪な女に云われるのが癇に触るというだけのことのような気がする。
 
蓮舫のパフォーマンスのせいで国力が衰退した、必要不可欠な予算が削られたなどという恨み節はお門違いだと思う。だったらあんたらが小癪な女の突っ込みになど負けずに説得する言葉を持っていればよかった、というだけの話だ。実際、事業仕分けの後、一旦は削減・廃止が決まった事業にも、その後見直し、復活になったものはかなりある。
 
詰まるところ、国の事業の多くが、結論ありきできちんとした議論を経ずに決まっていき、当事者たちの大部分は自分のしていることの必然性を疑ってみたこともなかったというだけのことではないのか。今問題の原発だってそうだ。僕には推進側のいい分がすべて後付けで、既定の路線なんだから進めなければならない、という風にしかうつらなかった。
 
原発事故のようなケースで、国民がヒステリックに反対廃絶に流れるような現象を批判するのもお門違いだと思う。国民が必要悪として仕方がない、リスクを受け入れるべきなのだ、と本当の意味で納得していれば、こんなに大きな声にはならない。そうでないのは、真摯にリスクとそうであっても推進すべきメリットを説得しようという気が推進側になかったからだと思う。
 
蓮舫をバカだと排除するのは、結局は現状容認、思考停止の態度になってしまうのではないか。