安物オーディオシステム公開

 最近3ヶ月ほどで、メイン(というほどのものでもありませんが・・・)のオーディオシステムを総入れ替えしてしまい、機材間の詰めもやっとひと段落つきそうなので、これを晒してしまおうと思います。所詮安物なので自慢にもなりませんが、逆にこれくらいの価格帯での詳細なセッティングのレポートもあまり見かけませんので、少しは書く意味もあるかと思います。まあ、本当は自分が書きたいから書くっつうだけなんですが(苦笑)。

 CDPはオンキヨーのC-1VL。実売では7-9万くらいの機種ですが、現在のオンキヨーの最上位機種です。ウォルフソンというスコットランドICメーカーの高性能DACと、高精度クロック搭載の恩恵か、オンキヨーらしからぬ?高解像度な音を出してくれます。

 正直それまで使用していたデノンの最下位CDPの音の傾向も決して悪くはなかったので、単純なグレードアップも考えたのですが、デノンのアナログっぽい色づけでは、どこまでいってもアナログ風味、というところから抜け出せない感もありましたので、それならばCDの強みを生かす方向で、ということで、この価格帯の製品では最新鋭のデジタル部を備えたC-1VLに決めました。

 C-1VLは、お店での試聴時点では高域がかなり耳に刺さる感じだったのですが、エイジングとセッティング(音の追い込み)次第で解消できる問題と判断しました。その通り、電源周りとインターコネクトケーブルを変えるとかなりS/N比が向上し、高解像度が活きて来ました。電源はヤフーオークションで多数出品している某名古屋のガレージメーカーから購入したアメリカ製医療用ケーブルを用いたもので、インコネは福岡の某オーディオショップがロ○ゼ○クラ○ツ製ケーブルを用いてつくっているものです。

 システムの電源は昔WOWWOWのアンテナを買ったときについてきたと思われるごつい三穴電源タップにつないで、エアコン用のアース付き125Vのコンセントから取っているのですが、ちょっと電圧が強いせいか、元気な音がするのと同時に、なにか音に暴れがあるような感じがありました。CDPの電源ケーブルのプラグをアース付きのプラグにしただけで、広域の耳につく暴れが収まり、おとなしい音になったような気がします。その後今の電源ケーブルに代えたところ、更に純度の高い電流が流れるようになった感じで、音の力強さも増したように思います。やはりノイズ対策は非常に大事なようです。

 インコネは情報量の多さと立体的な音響がウリの製品です。これを用いることでかなり音が立ち上がってくる感じになり、音場も広がったようです。値段的に以前のCDPと同じぐらいするという、僕にとっては恐ろしい価格設定ですが、インコネによって音が格段に理想に近付いた感じがしましたので、頑張って導入しました。

 ただしこのCDPは音楽性というものに関しては欠けているかもしれません。なんとなく音の立体的な設計図を見ているような感じを受けることもあります。まあ、この価格帯ですので、それは覚悟の上で導入していますが。

 スピーカーはこのシステムではじめに導入したもので、イングランドメーカーMonitor Audioの小型スピーカーRadius90で、二本で定価6万くらいです。量販店なら4万円台で売ってます。そこらのミニコンのスピーカーより一回りか二回りも小さいのですが、低価格帯のブックシェルフスピーカーにありがちな中抜き(ドンシャリ)の音ではなく、非常に中身が詰まった感じの音を出してくれます。2Wayですが、発想としては1Wayスピーカーに近いのかもしれません(適当な感想ですので・・・)。巷でいわれているほど低域が出ないとは思いません。むしろドラムの音などはバスバス出過ぎる程です(あくまで僕の感覚では、ですが)。一体どこからこんな音を出しているのかと思うほど音の分離が結構良く聴こえます。トールボーイなんかは絶対置けないスカスカの壁ですので、音的にもサイズ的にも無理な感じがなくて満足しています。ブラック仕様で綺麗だしね(笑)。難をいえば、クラシックをクラシックに聴かせてくれるスケール感がないことですが、システム全体の力不足でもあるでしょうし、スピーカー単体としてもそこまで求めるなら、ずっと上の価格帯までいかないと無理な気がします。

 Radiusはホームセンターで200円くらいで売ってる御影石板と花岩石板を重ねた上に、オーディオテクニカの安いインシュレータ-を足として敷いて設置しています。以前デノンのCDPを使っていた頃はテクニカのインシュを使うと異様にスカスカの音になってしまい、インシュを使わず御影石板の上にスピーカーをじか置きしていたのですが、ドラムがかなり振動を感じるほど鳴りすぎるのが気になってインシュを置いてみたところ、今度は丁度いいバランスに近付いた気がします。適当ですが、高い音から低い音まで満遍なく出て、結構いい音が出ていると思います。

 アンプは30年もののYAMAHAのプリメインアンプ、CA-1000Ⅱです。アンプは10年程で大事な部品が非常に劣化してしまうという話も聞きますので、本来はもっと最近のものを使うべきなのかも知れませんが、少なくともCD再生に関してはノイズも気にならず、かなり澄明度の高い音でスピーカーに伝達してくれていると思います。ピアノ曲なんかを聴くとなんか音が濁ってる気もしますが、プリメインアンプによるものなのかは僕程度の浅知恵では判別できません。これ以前に使用していたパイオニアの一番安いプリメインアンプのA-D1は全くRadius90を鳴らしきれてなかったので、CA-1000Ⅱのトランジスタ回路のA級再生でRadiusを鳴らしきってくれる実力は、最近のちょっとやそっとのアンプでは超えられそうにないので、回路がいかれないようにおそるおそる使ってます(笑)。

 C-1VLは、このアンプの上に黒檀ブロックで三点支持したベニヤ板を置き、更にその上で同様に黒檀ブロックの三点支持で設置しています。

 スピーカーケーブルは現在はAETのPrimaryというシリーズの一番安い奴ですが、明日辺りインコネと同じロ○ゼ○クラ○ツ製のものが代わる予定です。現状では立体感がそこそこあり、にごりが少ない音ですが、中身が薄い感じがします。新しいケーブルの導入で、インコネと同系統の変化があるのではないかと期待しています。

 何せシステムを設置しているのはオーディオラックなどではなく学習机(汗)の上で、マニアの方からすれば歯牙にもかけないレヴェルでしょうが、それなりに接続関係を中心に詰めてきたことで、理想の音に近付いていると感じています。試聴のときに感じたデジタル臭さは今は殆ど感じませんし、決してアナログ風(生演奏的)とはいえませんが、結構自然な音として出てきてくれるようになったと思います。純正のケーブルなどでのセッティングとは大分違う感じの鳴り方でしょうし、オーディオショップでC-1VLの購入を決めるときにRadius90とお店のハイエンドアンプにつないで試聴しましたが、その時よりも高音の自然さ、低音の質感的には出るようになっていると思います。

 正直音の追い込みでここまで音が変わるとは、期待していた以上です。やはりC-1VLやRadius90がしっかりとした製品であるからこそ、かなり追い込みに応えてくれるのでしょう。以前のデノンの一番安いCDPにも同じインコネをつけてみたことがありますが、同じように立体感や音場の広がりが出るものの、逆に音の緻密さの差が露で、えらくすかすかの軽い感じになってしまい、良さを打ち消してしまうようでした。

 逆に、就寝時のBGM用に、余った以前のシステム(DENON DCD-755-Ⅱ、PIONEER A-D1と、ONKYOのジャンク品ミニコンについていたD-052Aというスピーカー)を、中域重視っぽいベルデンのケーブルでつないで組んでやったところ、結構いい感じで鳴るようになりました。やはり機材にはそれぞれに、その能力を引き出すセッティングというものが可能なのでしょう。

 今のメインシステムがハイエンドクラスの音を出してくれるとはさすがに思いませんが(生命感や色気といった情感はやはりハイエンドクラスでなければ望めないものでしょう)、堅実でしっかりとした真面目な音、という面ではかなり引き出せてきていると思います。


本日のBGM

内田光子"Beethoven Piano Sonatas Opp.109, 110 & 111"

 この方のピアノは普通とは違うウェル・テンペラメントという方法で調律されているそうで、なるほど、素人にもわかり易い、何だか普通のクラシックピアノとは違う印象的な音だなあ、とタ○レコで試聴して思い、買ってきました。

 が、今日の記事の本文中で「ピアノが濁って聴こえるような」と書いているのは実はこのCDを聴きながら感じたことで、家のシステムではタ○レコで聴いたときのようなシャープな感じがせず、何だか音がぼやけて聴こえます。