甲斐バンド 全曲レビュー その7 「魔女の季節」

この曲にはちょっとした個人的思い入れがある。

高校時代に考えていたお話で、「バス通り」のシングルが出たばかりの時期の時代設定で、高校生の主人公は毎日繰り返しそのドーナツ盤を聴いている。そんな時期、彼のクラスに転校生がやってくる。ブレザーと流れるような長髪が都会の匂いのするその転校生は、だが、<彼>だった。主人公と<彼>はいつしか奇妙な友情を育てていく、いうような内容で、その<彼>との初対面の後、主人公の頭に「魔女の季節」がリフレーンする、なんて使い方を考えていた。莫迦莫迦しい一発ネタみたいなアイデアで当然形にはならなかったが(^^;。

ロッキュメントでのパフォーマンスでのエロティックなイメージが強いが、原曲はそうでもないw。『らいむらいと』の他の曲同様ブンガク少年っぽいかわいげのある青さばかりが印象に残る。インド洋をひとっとびとか、元気よすぎてちっともエロティックな気分になれないw。最新作にいたってもそういう青さが感じられるのが甲斐よしひろのいいところだ(^^。しかし、魔女の季節がやってきた、という最後のリフレーンはなんだか魔術的に耳に残り、そういう感覚を僕のお話でも出したいと思っていた。

<君>の意のままに操られるといったフレーズは甲斐よしひろのお気に入りのようで、類似のフレーズは「夜のスワニー」など、繰り返し出てくる。